皆さんがカフェや喫茶店でコーヒー、あるいは紅茶を頼んだ時、必ずと言っていいほど「ミルクやお砂糖をお付けしますか?」と尋ねられると思います。
その際、陶器やガラスの器に入ったものを渡されることもあれば、小さなプラスチックの容器に入ったものを渡されることもあるでしょう。後者のものは、始めからテーブルの隅に山積みになって置かれていることもあるかもしれません。
今回は、カフェや喫茶店で提供されるこの“ミルク”に関するお話です。
ミルクだけどミルクじゃない?
プラスチックの小さな容器で提供されるものは「コーヒーフレッシュ」と呼ばれており、「植物性の油に乳化剤を混ぜて作った、ミルクではない液体だ」ということは最近では一般にも広く知られるようになってきました。
コーヒーフレッシュは、本来の生クリームやミルクなどに比べて冷蔵庫で冷やす必要が無く保存がききやすいので、カフェや喫茶店に限らず、ファミリーレストランのドリンクコーナーなどでも広く用いられています。
お店によっては、ミルクティなどと呼んでいても、このコーヒーフレッシュを使ったドリンクが提供されていることもあります。
ちなみに、コーヒーフレッシュは安物だと思われがちですが、あれ一個で5円ぐらいのコストがかかっていますし、一度に大量に使われるお客さんもいらっしゃるので、意外とそれなりのコストがかかっています。
カフェに生まれた新たな誤解
「喫茶店やカフェではコーヒーフレッシュが置かれている店もある」ということが広まってきたため、最近では新たな誤解が生まれてきました。それは「コーヒーや紅茶のそばに添えられた白い液体は全てコーヒーフレッシュである」という誤解です。
本来、コーヒーなどの横には生クリームが添えられるのが一般的でした。そのため、現在でも生クリームやミルクを添えて出しているカフェや喫茶店もあります。少なくとも、全てのお店がコーヒーフレッシュであるということはありません。
ただし、そういったお店がごく少数なのは事実です。たとえプラスチックの小容器に入れられていなくとも、陶器やガラスの器に入れられてコーヒーフレッシュが出てくることもあります。業務用のコーヒーフレッシュの中には一般の生クリームなどと同様に、紙パックになって販売されているものもあるからです。
![]() 日世 コーヒーフレッシュV 500ml |
もし、横に添えられた白い液体の中身がどうしても気になる方はお店の方に尋ねてみる必要があります。
コーヒーフレッシュを使っているお店はドリンクにこだわっていない?
さて、「コーヒーフレッシュはミルクではない」という知識が広まってくるにつれ現れてきた誤解がもう1つあります。それは「コーヒーフレッシュを使っているお店=ドリンクにこだわっていない」という誤解です。
たとえば、テイクアウトでミルクをつけて欲しいと言われた場合、あるいは多くのお客さんを相手するお店、レギュラーコーヒーには混ぜ物をしないことを基本にしているお店などでは、むしろ生クリームやミルクなどを用意せず、フレッシュを渡すこともあります。
コーヒーフレッシュを使っているからといって、必ずしもドリンクの質が悪いとは一概に言えないのです。本当のミルクを使ったドリンクがどうしても飲みたいという方は、最初からミルクを混ぜて作られたカフェラテやカフェオレなどを頼んだ方が良いのかもしれません。