寝る前にコーヒーの話をしませんか?

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コーヒーが酸っぱい!?あの苦手な酸味の原因は?美味しいコーヒーを見つけるために

「コーヒーの酸味が苦手」

「フルーティと表現してあるコーヒーは飲まない」

etc……

 

コーヒーの好みを聞くと、「コーヒーの酸味が苦手」という方は少なくありません。

 

ですが、ちょっと待ってください。あなたが苦手な"酸っぱさ"は、ひょっとすると好みのせいではないかもしれません。コーヒーにも良い酸味と悪い酸味があったり、良い酸味でもだんだんと悪くなっていったりすることがあるのです。

 

そこで今回は、多くの人が苦手というコーヒーの酸味についてお話します。

 

そもそもコーヒーに酸味は必要なのか?

まず、好き嫌いの話をする前に、そもそもコーヒーに酸味は必要なのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。「嫌いな酸味をわざわざ味わう必要はないだろう」と。

 

ですが、結論から言えば、大なり小なりコーヒーに酸味はあります

 

それはもともとコーヒー豆がコーヒーチェリーという果実の種だからです。果実の種である以上、クエン酸やリンゴ酸などの「酸味がない」なんてことはあり得ません。

 

あのブラウンの焙煎後のコーヒー豆からはコーヒーチェリーのイメージが湧かない方もいらっしゃるかもしれません。少し前に、ダイドーがコーヒーチェリーをブレンドしたコーヒーを販売していましたが、このパッケージにはまさに完熟したコーヒーチェリーの絵が描かれています。

 

ですので、強いか弱いかはともかく、コーヒーに酸味はあるものだと思ってもらっていいでしょう。最近でも、あの有名な東京の喫茶店カフェ・バッハの田口さんがこんなコメントを残していました。

 

酸味はコーヒーの味で核になるものです。「酸っぱいコーヒーは苦手」と言う人がよくいますが、口が曲がるような酸味は劣化によるもの。本来、コーヒーの酸味とは「爽やか」とか「生き生きとした」という言葉で表現される、果実のような味わいです。

出典: ザ・コーヒー・ブック (プレジデントムック)

 

このように、コーヒーには「本来酸味はあるもの」ですが、強弱はありますし、バランスだって大事なこと。そのうえでの好みはもちろんあるでしょう。

 

「じゃあ、私が苦手なのは酸味が強いコーヒーなの?」と思われるかもしれません。

 

ですが、実は必ずしもそうは言えないのです。
 

保存状態が悪い「劣化による酸味」

まず、ご家庭で飲むコーヒーで「酸味が苦手という方」が一番感じやすいのが劣化した酸味です。コーヒー豆はほかの生鮮食品のように腐ったりといったことはありませんので、ある程度の期間なら飲めないことはありませんが、それはあくまで「飲める」か「飲めない」かの話。

 

「美味しい」か「美味しくない」かで言えば、さすがに常温で1か月以上も保存したコーヒー豆は"ほとんどの場合"美味しくはないでしょう。腐りこそしないものの、こうした「味が劣化すること」を指して「コーヒーは生鮮食品です」と言うコーヒー屋さんもいらっしゃいます。

 

厳密にはコーヒー豆は生鮮食品ではありませんが、「生鮮食品のように味は変化、劣化」していきます。

 

また、「古くない豆だから大丈夫か」と言えばそうでもなく、保存状況も大事です。コーヒーが劣化する要因は主に以下の4つ。

 

・熱

・湿度

・光

・空気(酸素)

 

コーヒー屋さんがよく不透明のアルミ袋でコーヒー豆を販売するのは、これらの劣化する要因を避けるため。自宅でも、直射日光が当たる場所やガスコンロの近くなどを避けて保存するといいでしょう。

 

ちなみに、先ほど、「1か月以上保存したコーヒー豆は"ほとんどの場合"美味しくない」と言いましたが、一部エイジングなどコーヒーを熟成させるロースターの方たちもいらっしゃいます。

 

ただ、エイジングもむやみやたらに保存しておけばいいものではなく、先ほどの4つの要因は絶対に避けるべきですし、お店によっていろいろとやり方があるので、プロのバリスタやロースターに聞いてみるとよいでしょう。

 

コーヒー豆の品質による「酸味」

そしてもう1つ。コーヒー豆にもお茶など他の嗜好品のように、品質があります。先ほどの、ダイドードリンコのコーヒーチェリーのパッケージを見ても分かるように、コーヒーチェリーは完熟すると真っ赤な実をつけます。

 

ですが、出荷されるコーヒーチェリーのなかには、まだ未熟なものや熟しすぎたものも混じっています。こうした未熟な or 熟しすぎた酸味が苦手というパターンです。これは明らかに品質が悪い酸味が苦手という人。

 

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出典:http://takeuchi-shouten.co.jp/mt/2009/07/post-18.html

 

「そんな未熟な or 熟しすぎた豆が出荷されることがあるの?」と思われるかもしれませんが、実際、市場やスーパーに出荷される果実ですら、食べられないことはなくとも「まだ未熟だなあ」とか「熟しすぎてるなあ」といったことがあると思います。

 

なかには、青いバナナや腐りかけの果物が好きといった好みを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、たいていは完熟したフルーツのほうが高品質と言っていいでしょうし、種であるコーヒー豆も同じです。

 

こうした未熟な豆や熟しすぎた豆を取り除いていない、品質のよくない酸味が苦手といった方はいらっしゃるでしょう。対策としては品質のいい豆を意識して買うことが大事だといえます。

 

このタイプの方は、意外と「高品質なコーヒー豆を買ってみたら酸味好きになった」ということがあるかもしれません。

 

コーヒー豆の焙煎による「酸味」

そして、「品質のいい豆を使っていて保存状況もいいはずなのに酸味が嫌だ」という方の中には、コーヒー豆の焙煎による酸味が苦手な方もいらっしゃるでしょう。

 

コーヒーには大ざっぱに言えば浅煎り、中煎り、深煎りなどの焙煎がありますし、基本的には浅煎りのほうが酸味が強い傾向にあります。ここはある程度、お好みで選んでもらっていいでしょう。

 

ただ、それ以前に生焼けによる酸味というものもあります。

 

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コーヒー豆が生焼けの状態だと、とがったような、刺すような酸味を感じることがあります。こうした焙煎による酸味は多くの人にとってあまり心地よくないものでしょう。

 

料理にも技術があるように、焙煎にも技術があり、こうした生焼けのコーヒー豆を出すロースターも中にはあります。もしも、そこのコーヒー豆で刺すような酸味を感じることがあったら、豆を変えるのではなくお店を変えるのも一つの手です。

 

自分のお気に入りのロースターや焙煎屋さんを見つけることから始めてみましょう。

 

「酸味」に対する個人差

ただ、多くの人が「美味しい」と言っていて、保存状態もコーヒー豆の品質も焙煎もある程度は保証されているはずなのに、自分には酸味が少し強いなと感じることがあるとしたら、それは本当に酸味そのものに対する好みの差なのかもしれません。

 

コーヒーだけでなく、トマトやレモンの酸味が苦手という方もいらっしゃるでしょう。

 

そういった方の場合は、コーヒーがうんぬんというより、酸味そのものが苦手な可能性が高いので、コーヒーを飲む場合も基本的に酸味が強くない豆を選ぶ必要があります。

 

もともと、生理学や心理学の分野では、「人間は本来的に酸味や苦味が苦手である」という話があります。詳しい話は省きますが、腐ったものや毒になるものなど、危険を見つけるサインとして酸味や苦味が生まれつき苦手な人が多いのだそう。

 

まさに苦いもの代表であるコーヒーを飲んでいるように、慣れによって多少の変化はありえますが、やっぱり個人差はあります

 

ですので、高品質な豆で、保存状況もいいし、焙煎もしっかり焼いてあるのに酸味が苦手という方は、好みに合わせて酸味が少ないコーヒー豆を選ぶといいでしょう。

 

ブラジルのコーヒー豆は比較的酸味が少なくバランスがいいと言われるので、そういった方にはおすすめです。