「アメリカンコーヒーとアメリカーノって名前が似ているけれど、同じもの?それとも違うもの?」
と思われるかたもいらっしゃるでしょう。実際、私がカフェの現場に立っているときは混同されている方がたくさんいらっしゃいました。ここでは、アメリカンとアメリカーノの違い、そしてコンビニコーヒーなど、私たちが普段どれだけアメリカーノに知らず知らずに触れているかをご紹介します。
アメリカンとアメリカーノの違い
アメリカンとアメリカーノの違いは、アメリカンは浅煎りのコーヒー(もしくはお湯割りしたコーヒー)なのに対し、アメリカーノはエスプレッソ(ワンショット)をお湯割りしたコーヒーのことを指します。
名前は似ているようで、基本的にはまったく別物なのです。
特に、エスプレッソマシンが置いてあるお店だとアメリカーノというメニューが最近は多いため、アメリカンと勘違いする方がいらっしゃいます。
アメリカーノはエスプレッソをお湯割りしており、濃さ的には普通のコーヒーと変わらない濃さになっていますので、アメリカン(薄い、あるいは酸味があり軽やかなコーヒー)を求めて買ったのに、普通のコーヒーと同じ濃さが出てきた…なんてことになりかねないのでご注意を。
アメリカンコーヒーのいろいろ
ちなみに、アメリカンコーヒーは浅煎りのコーヒー豆を使ってドリップしたコーヒーのことで、お湯割りしたコーヒーというのは間違いだ!と書いている方がいらっしゃいます。実際、起源をたどればアメリカンは浅煎りコーヒーのことを指すようです。
UCCのコーヒー用語辞典でも以下のように書かれています。
アメリカンコーヒー(あめりかんこーひー)
浅炒りのコーヒー豆で抽出したコーヒーのこと。
出典:https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/dictionary/american_coffee.html
お湯割りドリップのアメリカンは誤り?
ただし、日本において、アメリカンコーヒーは浅煎りのコーヒーが正式で、ドリップコーヒーをお湯割りしたアメリカンは偽物だ!というのは難しいでしょう。
一般的に、コーヒー専門店ではない昔ながらの喫茶店で言うアメリカンコーヒーは、浅煎りのコーヒー豆ではなく、普通のコーヒーで淹れたドリップコーヒーをお湯割りしたり、コーヒー豆を少なくしてドリップすることがほとんどです。
つまり、アメリカンコーヒーとは“薄いコーヒー”の総称になっているのです。
日本のアメリカンコーヒーの歴史的な背景や起源は、いろんな方がいろんなことを言っているので、ここでは具体的な話は避けますが、事実として、日本の多くの喫茶店でアメリカンと言えば「お湯割りのドリップコーヒー」か「コーヒー粉の量を減らしてドリップ」かを提供してきたわけです。
そもそもを言えば、アメリカンコーヒー自体日本の造語なので、起源はどうあれ、現状としてアメリカンというメニューに複数の出し方がある以上、これが正解とはいいがたいのではないでしょうか?
もちろん、今後アメリカンの浅煎りの”起源”に立ち戻って、すべての喫茶店やコーヒー屋でアメリカンは浅煎りのコーヒーを出していこう!となれば、その限りではないかもしれませんが…。
アメリカーノのあれこれ
アメリカンからアメリカーノの話になりますが、コーヒーをよく飲む方に「アメリカーノというドリンクを飲んだことがありますか?」と聞くと、「飲んだことがない」あるいは「知らない」と言われます。
実は、普段から外でもコーヒーをよく飲む方は、ほぼ間違いなくアメリカーノを飲んだことがあります。それはコンビニコーヒーです。
セブンイレブンやファミリーマートは短時間のドリップ方式でコーヒーを仕上げていますが、ローソンなどはエスプレッソ方式、つまりエスプレッソをお湯で割ったアメリカーノをホットコーヒーとして提供しています。
出典:https://www.ryutsuu.biz/commodity/k022040.html?doing_wp_cron=1689996791.3152990341186523437500
一般的に、ドリップコーヒーは普段飲みなれている柔らかい味わいで余韻が長く、それに対してアメリカーノは濃いものを薄めているので、最初にガツンとコーヒー豆の特徴(苦さや酸味など)がハッキリと感じられて、後味がすっきりする傾向にあります。
コーヒー豆の違い以外にも、抽出方法でも味が異なるんですね!
おまけの余談 ロングブラックの作り方
余談ですが、エスプレッソをワンショットにお湯を入れてお湯割りすると「アメリカーノ」。先にカップにお湯を入れておいて、そこにエスプレッソをダブルショット入れると「ロングブラック」という名前になります。
量だけでなく、エスプレッソを先入れするか、後入れするかでも味わいの感じ方は異なるので、行きつけのカフェでちょっと遊んでみたいときはバリスタにお願いしてみると面白いかもしれません。
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