最近、いわゆるサードウェーブ系のコーヒースタンドやカフェで見かけるコーヒー抽出器具があります。それがケメックス(CHEMEX)です。
コーヒーにあまり関心がない方でも、雑貨店によく行く方であれば一度は見たことがあるのではないでしょうか。
見た目がおしゃれで可愛いので、コーヒー好きでない方も購入を検討されていることが多いのですが、並行輸入品なのでお値段は少しお高めということもあり、なかなか使い勝手やレビューを知らないまま購入して困る方も少なくないようです。
実際のところ、ケメックスはドリップコーヒーのようにお湯を上から落としてコーヒーを抽出する器具ですが、使い勝手や抽出される味はドリップコーヒーとは少し違います。
そこで今回は、こうしたケメックスの特徴や使い方などに関して簡単にご紹介したいと思います。
ケメックスの特徴
ケメックスは3カップ用と6カップ用のそれぞれのサイズがありますが、どちらを使われるかによって使い心地や使い勝手が変わってきます。
たとえば、1人分を淹れるのが主になる人であれば、3カップサイズを買いましょう。6カップサイズでも1人分を淹れることもできなくはありませんが、横幅が広いためコーヒーの濾過槽が短くなります。
2人分以上であれば、どちらでも良いとは思いますが、お1人での使用が主になる方は少し注意が必要です。
また、上の画像のように、ウッドネックタイプとガラスハンドルタイプのものがそれぞれありますが、味の違いなどは全くないので、好みで選んでいただいて大丈夫です。
ケメックスのフィルターはペーパ―と金属の2種類
まず、ケメックスを購入したからと言って、そのままケメックス本体だけでコーヒーを抽出することはできません。ドリッパーと同じく、それにあったフィルターを買う必要があります。
そして、ケメックスには大きく分けて2種類のフィルターがあります。ペーパーフィルターと金属フィルターです。
どちらを使ってもいいのですが、どちらを使うかによって色々と特徴が異なるので、それぞれの特徴を簡単に書いておきます。
ペーパ―フィルターの特徴
- 厚手のフィルターなので、まろやかで雑味が少ない味
- 紙を折るのが面倒
- ペーパ―を捨てるだけなので、後片付けが楽
金属フィルターの特徴
- コーヒーの持つ味が全て出てくるので、好き嫌いが分かれる
- 金属フィルターの種類が多いので、フィルターを選べる
- 後片付けが少し面倒
- 6カップ用のケメックスでしか使えない
手間やメンテナンスなど、いろいろな部分で変わってきますが、一番違うのは"味"です。特に、金属フィルターの味は好みがはっきりと分かれますし、一般的な「コーヒー好き」の方はあまり好まれない傾向にあるので、分からなければペーパーフィルターのほうをおすすめします。
また、6カップ用ではなく3カップ用のケメックスを持っていらっしゃる方は、金属フィルターを使うことはできないので購入の際には注意が必要です。
欠点はメンテナンスと高いペーパ―代
そして、地味に面倒なのがケメックスのメンテナンスです。
使ったことがある方ならば分かると思いますが、ケメックスはドリッパーとサーバーが一体化しているので洗うのが少し面倒です。ブラシなどを持っていない方だと十分に洗うこともできないので、ケメックスを買われる際は専用ブラシも一緒に購入しておいたほうが無難です。
また、ケメックスのフィルターにペーパーフィルターを使っている方の場合、さらに困ったことがあります。実は、ケメックスのペーパーは他のドリッパーのフィルターに比べて数倍も高く、手に入りにくいのです。
実際、カフェやコーヒースタンドでもケメックスのコーヒーは少し高めに値段設定しているところもあるぐらいですし、ランニングコストが他のドリッパーに比べて必要だということは覚えておいたほうがいいでしょう。
それでもカッコいいケメックス
そんなに面倒なケメックスなのに、どうして使う人や憧れる人は減らないのでしょうか。
その理由は単純にオシャレでカッコいいからでしょう。
カフェやコーヒースタンドで出される理由としては、一度に大量の抽出がしやすいといった理由があるでしょうが、そうした理由は、むしろ少人数分しか出さない一般家庭で使う際にはデメリットだと言えます。
それでも、インテリアとしても可愛いですし、なにより"ケメックスで淹れた味"もあるので、愛好家の方がいらっしゃるのも事実です。
少し面倒ですが、ケメックスのあるカフェのような生活に憧れのある方は試してみてはいかがでしょうか。