「自宅でドリップコーヒーを淹れてみた!でも、なぜか安定して美味しいコーヒーを淹れられない…」
こんな悩みを抱えている方は多いでしょう。
「私の腕のせいかな?それともコーヒー豆が口に合わないのかな?」
もちろん、それもあるかもしれません。ですが、たいていこんな悩みを抱えている人の原因は、「コーヒー器具の性能」にあったりします。そこで今回は、自宅のドリップコーヒーをワンランクアップさせるために必要な道具をご紹介したいと思います。
すでにドリップコーヒーを淹れている人が持っているもの
まず、自宅ですでにドリップコーヒーを淹れたことのある方が、おそらく持っているであろう器具をリストアップしてみましょう。
・ドリッパー
・ペーパーフィルター(金属フィルターの場合はないかも)
・サーバー(コーヒー液の"受け")
・ドリップケトル
・ミル(グラインダー)
(プラスチックか陶器かなど素材は違えど)だいたいこんなところでしょう。
サーバーは無くてもかまいませんし、ミルはお店でコーヒー豆を挽いてもらっているので持っていない方もいらっしゃるかもしれませんが、これが自宅でのドリップコーヒーのスターターセット。
さて、この道具のどこをワンランクアップしていくかですが、まず、ドリッパーに関してはアマチュアとプロが使っているものでは全く変わりません。
唯一、コーノ式ドリッパーに関してだけは、上級者用の「名門フィルター」と一般向けの「ドリップ名人」がありますが、めちゃくちゃ大きな違いというほどでもないので、ドリッパーは基本的にプロとアマチュアの間に違いはないと思ってもらっていいでしょう。
また、サーバーもあくまでコーヒー液を受けるためのものですので、極論を言えば差別化のしようがありません。せいぜい、「目盛りを見てコーヒー液の量が判断できるか」「レンジで温め直しがきくか」ぐらいの話でしょう。
ワンランクアップを狙う人がサーバーの目盛りなんて見ている場合じゃありませんし、レンジで温め直すなんてことはしないと思うので、サーバーの性能は(極端に言えば)なんでもいいと思ってもらって大丈夫。
では、コーヒー器具のクオリティをワンランクアップさせるとはどんな器具を指すのでしょうか? それは主に以下の3つの器具で差別化をしていきます。
- ドリップケトル
- ミル(グラインダー)
- スケール&タイマー
ドリップケトルの性能を上げる
まず、一つ目はドリップケトルの性能を上げる方法。
「ドリップケトルに性能なんてあるの?」と思われるかもしれませんが、もちろんあります。ドリップケトルはケトルごとにかなり注ぎ口などの形が違うため、注ぎやすさやお湯の細さがかなり変わってきます。
たとえば、お湯をまっすぐ真下に落とせるケトルとしては、2015年のハンドドリップチャンピオンシップの優勝者が使った「Kaico ドリップケトル」などがおすすめ。
他のケトルばかり使われていた方は、どれだけ太くお湯を落としても真下にまっすぐ落ちていく性能に驚くことでしょう。ちなみに、このメーカーは職人を守るため、定価でしか販売しないという徹底ぷり。どこのサイトで見ても、基本的に売値は一緒なはずです。
また、ドリップレシピによっては点滴のように何度も抽出するスタイルをとる人もいるはず。そういった方には、「月兎印 スリムポット」がおすすめ。デザインの可愛らしさだけでなく、湯切れがよく注ぎ分けがしやすいのが特徴です。
こんな風に、デザイン性や値段だけでなく、自分のドリップにあったドリップケトルを見つけるのもいいでしょう。
あとは、温度設定ができ、そのままドリップできる電気ドリップケトルを購入するのも一つの手。ガスやIHでお湯を沸かすと、温度計を使わなければいけないので正確な湯温が測定しづらいのですが、電気ケトルなら自動で淹れたい温度にお湯を沸かしてくれます。
ドリップコーヒーは抽出する湯温によってまったく印象が違うので、確実にあなたのドリップをワンランクアップさせてくれるでしょう。特に、「bonaVITA 電気ケトル」は湯温の調整がしやすく、注ぎやすいグースネックの形をしているのでおすすめです。
ドリップケトルの性能を上げるためには?
1. レシピに合わせてドリップケトルの形にこだわってみる
2. 電気ケトルに変えて正確な湯温でコーヒーを抽出する
手挽きのミルを電動グラインダーに変えてみる
焙煎したコーヒー豆は時間とともに劣化していきます。
その最も大きな理由は酸化です。酸化したコーヒー豆は、変に酸っぱくなったり、味や風味が飛んでいたりします。
そして当然ですが、コーヒー豆のままよりも粉の状態で保存しておいたほうが、表面積も増えるため、酸化しやすくなります。つまり、粉の状態で保存しておくと、コーヒー豆は劣化しやすいということです。
ですので、コーヒーの味にこだわる人は手挽きのミルを自宅に持っていたりします。
ただ、手挽きのミルはどうしたって人の手で挽く以上、「挽きムラ」ができやすくなったり、細かい粉(微粉)が出やすくなります。すると、抽出したコーヒーの味にムラができたり、エグみを感じやすくなったりするのです。
そこで、最近のプロがしているように、電動のグラインダーを使うことをおすすめします。特に、「Bonmac BM-250」は、コスパもよく、値段の割にはコーヒー粉の粗さもよくそろいます。家庭用電動グラインダーとしては言うことなしでしょう。
これまで手挽きのミルを使っていた方、あるいはお店で挽いてもらった豆を保存していた方は、ぜひ一度家庭で電動グラインダーを試してみてください。コーヒーがまったく別の味になることを保証します。
コーヒースケールを使って正確にコーヒーを淹れる
「ケトルにはこだわった」、「ミルにもこだわった」
と来たら、最後はコーヒースケールを使ってみましょう。
「コーヒーを淹れるのに、量りが必要なの?」と思われるかもしれません。実際、昔ながらの喫茶店ではいまだにコーヒースケールを導入していないお店も多くあります。
ですが、最近のカフェではたいていコーヒースケールを導入していますし、なによりタイマーとスケールが一体化しているので、味が抜群に安定します。
「自分の好きなカフェ・喫茶店で飲んでいるドリップコーヒーのレシピを教えてもらったのに自宅でうまく再現できない。わたしの腕が悪いのかな……」という方。もちろん、腕や道具の性能の差もあるかもしれませんが、コーヒーのスケールを導入してみてください。
明らかに、カフェや喫茶店の本格的な味に近づくと思います。
ケーキやスイーツではありませんが、コーヒー粉や湯量を量る&蒸らしや抽出の時間を計ることはとても大事です。目分量でプロと同じ味が出せるほうがおかしいと思っていいぐらいでしょう。
ですので、「道具を揃えたのに抽出がうまくいかない」「味がいつも安定しない」という方は、コーヒーのスケールを利用してみるとよいでしょう。
ちなみに、スケールは「HARIO V60ドリップスケール」がコストパフォーマンスもよくおすすめ。正直、タイムラグがあったり、量りに少し誤差があったりしますが、値段を思えばこれほどコスパのよいコーヒー専用スケールはほかにありません。
もちろん、もっと上位のコーヒースケールもあるので、そちらでも構いませんが、ワンランクアップという意味では、HARIOのV60ドリップスケールでも格段にこれまでとは違うドリップ体験ができるでしょう。
良質な器具をそろえることが美味しさへの一番の近道
基本的に、家庭でのドリップコーヒーのクオリティをアップさせたいと思ったら、「コーヒー豆の品質を上げて」「コーヒー器具の性能を上げて」「最後に自分の腕を上げる」という順番が大事です。
まず、美味しくない豆をどんな器具や淹れ方で飲んでもおいしくありませんし、美味しい豆でもきちんとした道具がなければポテンシャルを出しづらくなります。
たいてい、「自宅でのコーヒーが美味しくない」と思っている方は「自分の腕が悪いんだ…」と言われますが、その前に良い素材や良い器具を揃えてみましょう。きっと、これまでとは全く違うクオリティのドリップコーヒーが淹れられるはずですよ!