カフェを開業するのに絶対に必要なのが資金、つまりお金です。
開業にあたって必要な資金はだいたい600~1,200万、居抜きなら300万円~からと言われますが、個人で簡単に集められる金額ではありません。
そこでこの記事では主に4つに分けてカフェ開業資金を集める方法についてお話していきます。
カフェの開業資金の調達方法
- 自己資金を貯める
- 融資を受ける
- 出資してもらう
- 補助金や助成金
どれかひとつをやればOKというわけではなく、それぞれを組み合わせることによってお金を集める必要があるので、それぞれ自分に合った方法を探してみてください。
自己資金をためる
当然と言えば当然の方法ですが、自己資金をためるのは、まずカフェ開業にあたって一番基礎となる手段です。
自己資金がなければ融資は受けられませんし、自己資金である程度の開業のめどがついていなければ、投資なども受けられません。
どんなに低資金で開業するとしても、100~200万円は自己資金がほしいところ。
ただ、自己資金のため方も人によっていくつかのパターンに分かれるのでご紹介します。
- サラリーマンを続けて、比較的高収入のところで貯金しながらセミナー通い
- 飲食店など、修行しながら賃金がもらえるお店でアルバイト
- マルシェや間借りイベントなど、「週末起業」で認知度と収益を上げる
以上です。
意外と自己資金をためると一口に言っても、選択肢があって驚かれるかもしれません。
どれが最高と言うことはありません。どれもメリット・デメリットがあります。
1番と2番のメリット・デメリットについては、下記の記事で紹介しているのでご覧ください。
マルシェや間借りでお金をためるとは?
そしてもう一つの選択肢が3番のマルシェ出店や間借りイベントなどで「週末起業」をしながらカフェ開業の準備をすることです。
意外と、自己資金をためるというときに、この選択肢がすぐに出てくる人は少ないです。
この方法のメリットとデメリットは下記の通り。
メリット
- 売上を上げると同時に認知度を上げられる
- リスクが少ない
- 一時的とはいえ、店舗を一人で回すため、オペレーションがみにつく
デメリット
- 少額とはいえ初期投資が必要[10万円程度]
- イベントを探す、荷物を搬入出するなど、準備の手間がかかる
- 自己資金がたまるかは自分次第
- 成果が出るまで時間がかかる
こう見ても分かるように、週末起業はプチとはいえ、起業は起業。
すべて自分で考えて、すべて自分で実践しないといけないだけに、「自己資金をためる」という目的だけで言えば、必ずしも効率的とは言えません。
一方で、経営の練習になるのは間違いないですし、「忙しいお店を一人で回す」感覚は間違いなくつきます。
なにより、カフェを本オープンする前から、ファンがついているのは大きいです。
「いまの本業の収入をいきなり失うのは怖いが、カフェ開業までの準備もしていきたい」という、よく言えばいいとこどりの手段をお考えの方にはピッタリの方法と言えます。
ただし、リスクがいくら低いとはいえ、赤字になる可能性があることもお忘れなく。
マルシェ出店の方法について知りたい方は、わたしの書いた本で詳しく書いているので、よかったらご覧ください。
イベント運営担当者がマルシェの公式アカウントなどで、「出店者に読んでもらいたい」と言って、シェアしてくれた内容ですので、マルシェで売上づくりを考えている方には間違いなく役に立つと思われます。
融資を受ける
カフェはたいてい創業資金が600~1,200万円ぐらいが相場。この金額は、自己資金で賄うのが難しいでしょう。
そうなると出てくるのが、融資という手段です。

融資を受けるときは、主に「銀行から融資を受ける」方法と「公庫から融資を受ける」方法とがあります。それぞれメリットとデメリットがあります。
公庫[日本政策金融公庫]とは?
日本政策金融公庫とは、民間金融機関の取り組みを補完し、日本の中小企業・小規模事業者や農林漁業者など、事業に取り組む方々を支援する政策金融機関です。
https://jfc-guide.com/financing-guide/751/#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%94%BF%E7%AD%96%E9%87%91%E8%9E%8D%E5%85%AC%E5%BA%AB%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E6%B0%91%E9%96%93%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A9%9F%E9%96%A2%E3%81%AE,%E3%82%92%E7%9B%AE%E7%9A%84%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
銀行から融資を受ける
- 融資金額が大きいときは銀行のほうが有利
- 商工会議所などと提携していると利率が安い
- 一度融資を受けると、その後の商談会などに呼んでもらえるなどの特典
- 自己資金がある程度ないと融資が下りない可能性
- 返済期間が公庫よりも短め
公庫から融資を受ける
- 比較的少額の融資から相談できる
- 創業支援を目的としているので、新規で相談しやすい
- 自己資金が少なめでも相談しやすい
- 返済期間が長め
- 融資が下りるまで比較的短め
- 創業時に、高額の融資は相談しづらい
一般的に、カフェのような小規模融資の場合、銀行よりも公庫に相談に行く人のほうが多い印象です。
ただ、商工会議所とのお付き合いの関係で、地元の信金や地銀に融資の相談をされる方もいらっしゃいます。
いずれにせよ、間違いなく自分1人で判断できることではないので、自治体でやっている「創業セミナー」や地元の商工会議所へ相談に行くのが間違いありません。
※相談に行くと、利率が安くなる場合が多いです
出資してもらう
「自己資金をためる」「融資を受ける」に比べればマイナーですが、「出資してもらう」も昔からメジャーな資金集めの方法です。
出資してもらうにも主に2つの選択肢があります。
1つは、家族や親せき、友人など身近な人から出資してもらう方法です。人にもよりますが、100~200万円ほど両親にかりて開業するという人は少なくないでしょう。
ちなみに、「親に借りたお金を自己資金に入れてください」と書いているサイトなどもありますが、「親に借りたお金」は自己資金ではなく知人からの融資の欄で、融資の申し込みの時には明確に分かれているのでお気をつけください。

もう1つは他人から出資してもらう方法です。特に、飲食業の場合はクラウドファンディングで出資してもらうことが一般的です。
クラウドファンディングとは?
https://camp-fire.jp/academy/articles/article-1
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。
資金調達といえば、一般的に金融機関からの借入や関係者・ベンチャーキャピタルによる出資などがあげられます。
クラウドファンディングは、そういった資金調達にはない「手軽さ」や「拡散性の高さ」、「テストマーケティングにも使える有用性」といった点が魅力的な新たな資金調達の仕組みとして近年注目されています。
クラウドファンディングのメリットは、他人から出資をしてもらうと同時に、認知度アップも狙えるということです。

「〇〇年××月にカフェをオープンするので出資してください!」と発信すること自体が、すでにカフェオープンのPRにもなっています。
最近では、出資が目的というより、こうした宣伝を目的として、あえてクラウドファンディングの目標額を少なくし、達成率〇〇%の人気店!と引っ提げてPRに使うお店も増えています。
クラウドファンディングのデメリット
ただし、クラウドファンディングのデメリットもあります。
- 応援してくれる人がいない場合ムダに終わる
- 事前告知や準備が成功・失敗のほぼ90%以上を決める
- ほとんどの人はお金が集まらない
- 社会的インパクトが重要
以上です。
厳密に言うと、クラウドファンディングに”失敗”はありません。
オープン前にお店の認知度が少しでも上がることを考えれば、わたしはすべての店舗で実施すべき方法だとも思っています。
一方で、「めちゃくちゃ気合を入れたわりに大してお金が集まらなかった」ということは普通にありえます。
実際、この記事を読んでいるあなたは、友人でも知人でも誰かのクラウドファンディング企画に投資をしたことは一度でもあったでしょうか?
私はせいぜい2,3度で、それも付き合いのある取引先の方が実施していたときぐらいです。つまり、“広い意味での身内”にお金を投資したぐらいです。
実際、クラウドファンディングの運営側の方にもそういった批判はあるよう。

ただ、私はそれでもクラウドファンディングがやれる機会があるなら、すべてのカフェがやる意味はあると思います。
その際は、ほかの方がどんな案件をやっていて、どんなリターンをしているのかを入念に調べることは忘れずに。
補助金や助成金を使う
最後は補助金や助成金を使う方法です。
これを最後にしたのは、正直あまりアテにならないからです。
たとえば、都会でいきなりカフェを開業したいからといっておりる助成金はほぼありません。
女性経営者支援や、地方の駅前活性化資金として家賃を数年ぶん半額にするなど、ごく一部の条件であてはまるケースはあるものの、助成金や補助金をアテにした開業はおすすめしません。
例外的に、すでに社保や雇用保険を適用する社員を1人以上雇っている場合は、雇用促進などで支援がある場合もあります。

また、助成金や補助金はあくまで物品を購入した代金の一部、スタッフに払った給料の一部をあとから給付されるだけで、必要な資金は自分で、もしくは融資で持っておく必要があります。
そういった意味でも、“起業”する人が頼る手段とは言いづらいです。
もし、どうしても気になる方は、商工会議所や社労士などに相談すると、使える助成金を紹介してくれるかもしれませんので、相談してみるとよいでしょう。
カフェ開業の資金集めについて
いかがでしょうか?
カフェ開業の資金集めと言われると、どうにもイメージがつかないという方も多いのですが、イメージはつきましたでしょうか?
以前記事で書いたように、カフェ開業はきちんとした収入を狙うと、決して甘くありません。
一方で、きちんと計画を立てて取り組めば怖いものでもないのです。
あなたのカフェ開業の資金計画に役立つ記事になっていれば幸いです。
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