長崎名物グルメといえば、なにを思いつくでしょうか?
長崎ちゃんぽん?トルコライス?それとも皿うどん?そういった定番長崎メニューもいいのですが、長崎に来たらぜひ食べてほしいカレーがあります。
それが、夕月カレー[yuuzuki curry]。
1958年から長崎でカレーを提供し続け、今でも新店が出ればネットニュースになるぐらい地元長崎に根付いたローカルなカレー屋さんです。


夕月カレーってどんなお店?
夕月カレーは、長崎市内に2店舗あり、住吉店とベルナード観光通り店とがありますが、今回は本店であるベルナード観光通り店へ。

店外を見たときも思いましたが、店内もとても何十年もやっているとは思えないほどきれいな内装。調べてみると、2016年に移転リニューアルオープンをされたよう。
内装は新しくも昭和の雰囲気香る店内
店内を見渡すと、新しい店内ですし、観光通りにあるのでもっと若い方が多いのかと思えば、客層の9割は60代以上とみられる高齢者。
調べたときから思っていましたが、本当に「昭和の長崎県民のソウルフードなんだな」と。
それに、卓上のらっきょうと福神漬けがあるのが、さらにレトロ感を感じさせます。

夕月カレーのメニュー
メニュー表を見ると、スタンダードな夕月カレーが600円[税込]。店内の張り紙を見ると、8月から値上がりをしたらしいですが、これでも十分安く感じます。

そしてジャンボサイズは+100円。安い!
普段ならジャンボサイズにするところですが、ここはスタンダードサイズで。
ただ、周りの地元民と思われるご先輩方の大半はジャンボサイズを頼まれていました。お元気ですね!
オーダーを聞いていると、そのとき人気だったのは、卵カレーとカツカレーとエビフライカレー。
なるほど…。今回は、ルーの味わいをしっかり味わいたいので、揚げ物はなし!卵カレーをオーダーしました。
夕月カレーの味わいは?
オーダーしてから5分ほど。早速手元に運ばれてきた夕月カレーを見てみると、確かにその名に恥じぬ真っ赤なカレーが到着しました。これが噂の!

ぱっと見でも分かる通り、具は一切ありません。ルーを味わうカレーです。
そのルーも、最近のスパイスカレーのようにオイルが浮いているということもなく、油と水分が完全に一体化しており、店内の明かりでつやつや。
見るからに美味しそう…。
実際に味わってみると、かなりさらさらとしたスープのようなカレーで、味わいはバターチキンカレーに似ています。ほんのりとスパイシーながら、かなり乳感を感じさせる味わい。
今まで食べたことがないのに懐かしい味わいで「懐かしく、それでいて新鮮な昭和のカレー屋さん」というお店公式のキャッチコピーの意味がはっきり分かります。

これが65年前[1958年]にできていたのだから、それはそれは当時の方には画期的なカレーだったことでしょう。
ただ、バターチキンカレーはご存じの通り、粘土が高く、肉とバターのうまみたっぷり。
それに比べると、夕月のカレーは、動物性のうまみがそこまで強くありませんし、酸味も強くない甘い味わい。
あくまで似ているカレーをあげるならバターチキンカレーというだけで、基本的には別物です。
夕月カレーは、辛味がないものの、スパイス感は少しあるのでお子様向け!というわけではありませんが、乳感が強いので、大人にはとてもマイルドに感じるカレーといった感じ。美味しかったです。
カレーの店 夕月 ベルナード観光通り店
〒850-0852
長崎県長崎市万屋町5−4
095-827-2808
定休:火、水
営業時間:11:00~15:00、17:00~19:00
夕月カレーはなぜ赤いの?
ちなみに、なぜこの夕月カレーは赤いのでしょうか?
いろいろなメディアを見てみましたが、その答えは「分からない」とのこと。なんなら、今回伺った夕月カレー本店の店長さんすらその赤い理由を知らないというから驚きです。
2代目の田河英一社長が、初代の貞雄さんからレシピを受け継ぐ。色の理由は英一社長だけが知る秘密。25年働く夕月本店(長崎市万屋町)の申文(しんぶん)店長(50)にも一切知らされない。「スパイスや調味料の色でしょうけどね、教えられないんですって」と困惑の表情を見せる。この味を求め50年以上通う常連も多い。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/316828/
文字通り、門外不出の味わいということでしょう。
カレーで赤い色素を出すとなったらパプリカパウダーが一般的ですし、甘い味わいとも共通点があるので、その辺なのかな?とは思うのですが、だとしても、それが65年前にあったというのが驚き。
スパイスカレーブームやインドカレーブームが起きる前は、ターメリックやクミン、コリアンダーといったメジャーなスパイスさえあまり知られていなかったので、当時は画期的だったかもしれません。
ちなみに、夕月カレーの公式サイトにもパプリカの解説が入っています。
『パプリカ』ですが、 これは 分類すると『チリペッパー』の一種になります。 簡単に言えばピーマンの友達みたいなものです。この「パプリカ」は、基本としてはシンプルに野菜として食されることが多いのですが、カレーのスパイスとしても色味と風味を出すためのスパイスとして 、高級料理店で出されるカレーなどにも使われていたりします。最近は比較的簡単に入手できるようになりましたが、昔は入手するのが困難なものでした。このスパイスは油に溶け込みやすいという性質を持っていますので、料理の色付けには持って来いのスパイスになっています。
http://www.yuuzuki.com/spice.htm#paprica
夕月のカレーは通販できる!
また、夕月のカレーはお店まで行かなくとも、通販することもできます。
「夕月 カレー」とGoogleで調べようとすると「通販」の文字がサジェスト(提案)されるぐらいなので、よほど遠方でもその味わいを求める方が多いのでしょう。
長崎は遠いけれど、夕月カレーの味わいには興味がある…という方はぜひ試してみてくださいね!
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