青空フリーパス[2,620円]というきっぷをご存じでしょうか?
青空フリーパスとは、JR東海が土日祝日限定で販売している企画きっぷ。
購入した当日なら下記区間のどこへでも行けて、何回でも使えるという優れものです!
ただ、このきっぷのフリー区間は名古屋を中心に広がっています。
そのため
- 普通に豊橋と往復するだけなら豊橋往復きっぷのほうが安い
- 青春18きっぷ期間中なら青春18きっぷ[1回2,410円]のほうが安い
など、少し使い方を間違えると損になることも
そこで今回は、青空フリーパスを最大限お得に使うための注意点と、青空フリーパスで行けるおすすめスポットを上げていきます!
青空フリーパスの購入方法
利用できる日:土日祝日、年末年始
※1か月前から事前購入可
購入場所:JRの券売機や乗車券発売所
料金:おとな1人2,620円
※クレジットカード可
利用期限:乗車日当日のみ有効
青空フリーパスのメリットとデメリット
さて、青空フリーパスをせっかく買ったなら、もとをとれるように使いたいもの。
そこで青空フリーパスのメリットとデメリットを理解しておきましょう!
※ちょっとマニアックです。おすすめの観光地を知りたい方は先に飛ばしてください!
メリット
- 特急券を買えば特急に乗れる
- フリー区間には伊勢鉄道線も含まれる
- 何回でも途中下車してよい
デメリット
- 使い方によって往復きっぷや青春18きっぷのほうが安い
- 1日限りしか使えない
以上がメリットとデメリットです。ここで1番のポイントは、使い方によっては往復きっぷや青春18きっぷのほうが安くなってしまうことです。
青空フリーパスと青春18きっぷを比較
青空フリーパスに比べて、青春18きっぷのほうがお得な事例は2つです。
- 特急をそもそも使う気がないとき
- 伊勢方面に行かないとき
青春18きっぷは春、夏、冬の3シーズンしか利用できません。
ですが、この期間であれば特急や新幹線に乗れない代わりに、JRの路線ならどこでも行けるきっぷです。
つまり、特急を使わない場合、乗車範囲も料金も青春18きっぷのほうがお得なのです。
逆に言えば、青空フリーパスをうまく使いたい場合は、特急に乗るほうがおすすめとも言えます。
どこに行くかでも青空フリーパスのお得度は変わる
また、青春18きっぷが面倒なのが、三重方面に行くときです。
伊勢市駅[伊勢神宮]や鳥羽駅[鳥羽水族館]まで「快速みえ」を使って最短ルートで行こうとすると、途中に伊勢鉄道線という私鉄区間が挟まれます。
そのため、青春18きっぷは伊勢鉄道乗車賃[320円]を払う必要があります。
すると、合計2,740円になるため、三重方面に行くなら青空フリーパスのほうがお得になるのです!
そのため、伊勢市、鳥羽市方面に行きたい場合は青空フリーパスのほうがおすすめです!
そして最後に、青春18きっぷは先ほど少しお話したとおり、春、夏、冬の3シーズンしか使えません。
つまり
- 青春18きっぷ以外の期間に旅行する場合
- 青春18きっぷのように5枚つづりもいらない場合などは、青空フリーパスでも十分だと思います(そもそも210円しか変わりませんしね…)。
青空フリーパスと各種往復きっぷを比較
また、下記の2つのエリアに関しては、名古屋との往復きっぷが出ています。
しかもそれがめちゃくちゃ安い。青空フリーパスではなく往復きっぷを使ったほうがおすすめです。
※よほどこの2つの区間で途中下車したい駅があれば別ですが
- 新城・本長篠往復きっぷ
- 豊橋往復きっぷ
主な観光スポットとしては、豊川の豊川稲荷、二川ののんほいパーク、新城のもっくる新城、鳳来寺山などがあります。
この往復きっぷの詳細を知りたい方は、それぞれ下記の記事をご覧ください。
さて、前置きが長くなりましたが、青空フリーパスで行ける日帰りおすすめ観光スポットをご紹介します。
中央線のおすすめ日帰り観光地
中央線は名古屋から多治見などを超えて長野方面に向かう路線。
馬籠宿や奈良井宿など、昔ながらの中山道観光がおすすめ。
途中下車するスポットも多く、特急も1時間に1本はあるのが特徴です。そのため、青空フリーパスで行くのにおすすめの路線のひとつです。
中津川駅
乗車時間:1時間23分(特急50分)
通常の往復運賃:2,680円(60円お得)
名物:蕎麦、栗きんとん
観光地:馬籠宿(バス25分)
中津川駅は名古屋―塩尻間を結ぶ中央線の中間駅。名古屋から約1時間20分ほどとアクセスがいいのが特徴です。
観光地は馬籠宿(まごめじゅく)で、中津川駅から直通バスで25分ほどで行けます。
冬季の馬籠宿は、雪でお店がほとんどしまっているため、春~秋のアクセスがおすすめ。
また、中津川駅前には市内の栗きんとんメーカーを集めた販売店にぎわい特産館があります。
栗きんとんだけでもめちゃくちゃ種類がたくさんあり、悩むほど。
中津川観光の際にはぜひ立ち寄ってみてください!
馬籠宿からは隣の妻籠宿(つまごじゅく)まで直通バスも出ています。
妻籠宿は南木曽[なぎそ]駅が近隣駅で、こちらから青空フリーパスを使って帰ってくることもできます。
1日妻籠&馬籠観光をするのもおすすめです。
奈良井駅
通常の往復運賃:5,280円(2,660円お得)
乗車時間:約3時間11分(特急+鈍行 約2時間50分~)
名物:そば、山賊焼き、ソースカツ丼
観光:奈良井宿(駅から徒歩1分)
木曽福島駅で特急を降り、そのあと鈍行でしかたどり着けない奈良井駅。
アクセスは若干悪めですが、旧中山道のレトロな日本家屋とその街並みを味わいたいなら抜群の雰囲気。
Instagramなどで木曽の写真が撮られるときはだいたいここ。
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冬場は雪でお店がほとんど閉まっているため、春~秋のアクセスがおすすめ。
ちなみに、奈良井駅は片道だけでも青空フリーパスのほうがお得。
そのため、土日にまたがってお休みの場合は、奈良井宿や少し手前の木曽福島駅などで宿をとって泊まりで行くのもおすすめです。
また、周辺には木曽福島宿などもあるため、日帰りでは全部まわり切れないほど満足感も高いです。
高山本線のおすすめ日帰り観光地
高山本線は高山駅を通りすぎて富山県へ行く路線。
…ですが、青空フリーパスで行けるのは途中の下呂駅まで。
山の中を走る路線で、渓流の流れを見ながらのんびりと電車旅が楽しめます。
下呂駅
通常の往復運賃:4,620円(2,000円お得)
乗車時間:約2時間50分~(特急1時間40分)
名物:飛騨牛、ほうば味噌、鶏ちゃん
観光地:下呂温泉の街並み、温泉寺(紅葉)
言わずと知れた日本三大温泉街のひとつ下呂温泉がある下呂駅。
普通に鈍行で行こうとすると、かなりアクセスが悪いのが下呂駅。
そのため、下呂温泉に行くときは絶対に特急をおすすめします。※でないと日帰り観光が難しいです
最近は温泉プリンなど、若者向けの食べ歩きスポットも増えており、普通に街歩きをするだけで楽しい観光スポットです。
いつのシーズンでもおすすめですが、特におすすめなのが紅葉のシーズン!
下呂には、俗に”紅葉寺”とも呼ばれる温泉寺があるため、特におすすめですよ!
伊勢・鳥羽方面のおすすめ日帰り観光地
伊勢・鳥羽の三重県方面は、JRの快速みえの自由席を使っていくことができます。
※指定席に乗る場合は+520円(閑散期は320円)
鳥羽水族館・伊勢神宮・伊勢シーパラダイスととにかくメジャーな観光スポットが目白押しなので、観光スポットに困ることはないでしょう。
グルメも海鮮系を中心に松阪牛や赤福など、メインディッシュからスイーツまで全般的にそろっています。
伊勢市駅
通常の往復運賃:4,080円(1,460円お得)
乗車時間:1時間34分
名物:伊勢うどん、カキ、赤福
観光:伊勢神宮外宮(徒歩6分)、内宮(バス18分)
言わずと知れた伊勢神宮の外宮[げくう]最寄り伊勢市駅。
伊勢神宮には外宮と内宮[ないくう]とがありますが、伊勢市駅から内宮へ行くには、バスに20分弱揺られる必要があります。
ただ、それだけの価値は間違いなくあります。
外宮の前にも食事処はありますが、なんといっても内宮前のおかげ横丁はお店もたくさんありすぎて選べないぐらい。
名物の伊勢うどんを食べるもよし、松阪牛やカキの串焼きなど食べ歩きグルメをするもよし。
一日ここで過ごしてもまったく飽きないスポットです。
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ちなみに、伊勢神宮の内宮からは鳥羽駅までの直通バスも出ています。
そのため、そこから鳥羽水族館に行くのもアリです。ただ、見どころが多すぎて日帰りで帰ってこれなくなるかもしれませんが…。
日帰りでない場合は、ほかのきっぷのほうがお得なため、詳しくは下記をご覧ください。
二見浦・鳥羽駅
通常の往復運賃(鳥羽まで):5,000円(2,380円お得)
乗車時間:1時間49分
名物:カキ、その他貝類、魚介全般
観光:伊勢シーパラダイス(徒歩&バス9分)、鳥羽水族館(徒歩9分)
二見浦駅には伊勢シーパラダイスと夫婦岩という観光スポットがあり、どちらもバスで9分ほどで行けます。
伊勢シーパラダイスは小規模ながら、コツメカワウソやセイウチを見たり、実際に触ったりもできる面白いスポットです。
ただ、少し規模が小さめなのと、近隣に食事処がほとんどありません。
そのため、可能なら鳥羽駅へ行って鳥羽水族館も見るのがおすすめ。
鳥羽水族館は飼育種が1,200種で日本一!
しかも、国内で唯一ジュゴンに会えたりと、水族館好きなら絶対に行くべきスポットです。
また、鳥羽駅、鳥羽水族館周りは新鮮な魚介を食べさせてくれるグルメスポットも多いのが特徴。
魚介好きなら水族館などを抜きにしてもおすすめなエリアです。
観光、グルメどちらの目的で行っても後悔はしません。
日帰り向きではないスポット
名古屋駅スタートだと日帰りには向かないものの電車好き、自然好きにおすすめしたい青空フリーパスで行ける路線があります。
「日本最長の路線」
「日本でトップクラスに秘境駅が多い秘境線」
と言われる、豊橋駅発の飯田線です。
飯田・天竜峡駅
通常の往復運賃(飯田駅まで):7,480円(4,860円お得)
乗車時間:5時間27分(快速+特急3時間40分)
名物:ソースカツ丼、ジビエ、馬肉、鯉
観光:元善光寺(バス+徒歩18分)、天竜舟下り(徒歩3分)
飯田線は全国有数の秘境路線であり、本州ではトップクラスに長い路線のひとつです。
そのため、名古屋駅から豊橋まで新快速、豊橋から飯田駅や天竜峡駅まで特急を乗り継いでも片道4時間弱かかります。
乗車時間だけなら奈良井駅に行くのとそこまで変わりません。
飯田線があおぞらフリーパスの日帰り観光に向かない理由
ですが、日帰りをするうえで飯田線最大の問題が下記の2つ。
「特急の本数の少なさ」
「15時58分発という最終特急の終わりの早さ」
始発で名古屋をスタート(9時1分発)しても飯田駅には12時41分着。
ランチを食べてちょっと観光して…としていると、すぐに特急の時間が来てしまいます。
※それを逃すと、鈍行で5時間半かけて帰ってくる必要があります
飯田駅には元善光寺といった、長野の善光寺に移す前にご本尊を迎えていた由緒正しいお寺もあります。
また、天竜峡駅からは天竜川ライン下りも大変人気です。
特に元善光寺は「(長野市の)善光寺だけでは片参り」とも言われるほどのスポット。
グルメも鯉やジビエ、ソースカツ丼など、東海とは一味違うものばかり。楽しいのは間違いありません。
ただ、飯田線を青空フリーパスで日帰りするのはよほどの電車好き向けプラン。
「秘境駅を見られれば乗車時間は問わない」といった人でもない限り、おすすめしないことだけはご注意を。
また、時間を節約するなら、あるいはどうしても日帰りで帰りたいなら高速バスを使うのが一番早いです。
名古屋駅から飯田駅まで直通の高速バスなら片道3,170円で1時間54分で行けます。
※しかも、始バスも終バスも電車より余裕があります
多くの方は飯田ー名古屋間を移動するときは高速バスを使っているので、青空フリーパスで飯田駅に行くのはよほどの電車好きだと思っていいでしょう。
青空フリーパスの観光モデルまとめ
さて、改めて名古屋駅発で青空フリーパスで行ける日帰りおすすめスポットを挙げます。
- 中津川駅の馬籠宿&妻籠宿
- 奈良井駅の奈良井宿&木曽福島駅
- 下呂駅の下呂温泉
- 伊勢市駅の伊勢神宮外宮&内宮
- 二見浦・鳥羽駅の二見シーパラダイス・鳥羽水族館
以上です。
これらのスポットなら青空フリーパスでもとがとれますので、ぜひ土日祝は青空フリーパスを使ってお得に旅を楽しんできてくださいね!
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