愛知県の東端である豊橋から、三重県の先端にある鳥羽まで。
端っこと端っこで、関係性もあまりなさそうですが、田原市の伊良湖岬を経由する「鳥羽・豊橋割引きっぷ」が伊勢湾フェリーから販売されるなど、意外と交通の便自体は悪くありません。
そこで今回は、「豊橋から鳥羽へ公共交通機関だけを使っていく方法」のなかで最安・最速の方法や、おすすめの行き方のモデルルートをご提案していきます。
豊橋から鳥羽へ公共交通機関で行く
豊橋から鳥羽へ公共交通機関で行く場合、主なルートは2つ。
田原市の伊良湖フェリー乗り場まで渥美線とバスを乗り継いで、そこからフェリーで鳥羽港へ行く「フェリールート」。
もうひとつが、名鉄やJRを使い名古屋駅まで出て、そこからJR快速みえか近鉄を使って鳥羽駅まで行く「電車ルート」です。
結論から言えば、早く、安く行きたいだけなら電車を乗り継ぐ「電車ルート」がおすすめですが、そのためにはいろいろと工夫もいりますし、せっかく旅に出るならフェリーもいいもの。
もう少し詳しく「電車ルート」と「フェリールート」のメリット・デメリットを比較していきましょう!
到着が早いのは電車ルート
まず、「電車ルート」「フェリールート」のそれぞれにかかる時間を比較してみましょう。
- 豊橋から渥美線+バス+フェリーを乗り継ぐ〈片道3時間~〉
- 豊橋ー名古屋を名鉄、名古屋ー鳥羽をJR快速みえ〈片道3時間14分~〉
- 豊橋ー名古屋を名鉄、名古屋ー鳥羽を近鉄特急〈片道2時間46分~〉
- 豊橋‐名古屋を新幹線、名古屋ー鳥羽を近鉄特急〈片道1時間58分~〉
豊橋ー鳥羽間の最速の移動手段は新幹線ひかり+近鉄特急ですが、ひかりが2時間に1本しかなく、新幹線から近鉄への乗り換えも10分しかないため、慣れていないとまず無理なので、あくまで理想値です。
新幹線から近鉄への乗り換えは、降りるホームが限定されており、一歩間違えると大変なことになるので、あまり電車に乗りなれていない方は「名鉄+近鉄」のほうが乗り換え口も近く、楽でおすすめです。
こうしてみると、新幹線をのぞけば、電車ルートとフェリールートは到着時間がそう変わらないように見えます。ただし、ここで忘れてはいけないのが、フェリーの待ち時間とバス交通の不安定さです。
バスとフェリーの乗り継ぎはターミナルへの到着時間にもよりますが、最大40分ほどかかります。また、三河田原駅から伊良湖岬までのバスは時間によって直通のバスがなく、乗り継ぎが必要なことも。
つまり、3時間~とは、単純に移動に必要な時間の話で、乗り継ぎ待ちやバスの移動時間次第で、場合によってはもっとかかる可能性もあるのです。
そのため、基本的には”公共交通機関だけ”を駆使して豊橋から鳥羽へ行く場合、「フェリールート」はあまりおすすめしていません。
もちろん
「時間がかかってもいいから、ゆっくり海を眺めながら行きたい!」
「伊良湖岬にも寄って美味しい海鮮や景色も楽しみたい!」
というのであれば、フェリールートでも全くかまいませんし、記事の最後にフェリールートのおすすめの使い方もご紹介します。
↑伊良湖岬からの景色
安いのは電車ルート
次に、豊橋から鳥羽への価格ですが、ここでは1人旅かつ、通常料金ではなく最大限、お得なきっぷなどを駆使した料金を書いていきます。
- 豊橋から渥美線+バス+フェリーを乗り継ぐ〈2,700円〉
- 豊橋ー名古屋を名鉄、名古屋ー鳥羽をJR快速みえ〈2,350円〉
- 豊橋ー名古屋を名鉄、名古屋ー鳥羽を近鉄特急〈4,190円~〉
- 豊橋‐名古屋を新幹線、名古屋ー鳥羽を近鉄特急〈4,590円~〉
まず、最安の手段は「豊橋から名鉄(JRでも可)で名古屋へ行き、JR快速みえで鳥羽へ行く〈2,350円〉」です。ただ、これは普通の電車に乗ってしまうと、まったく料金が異なるため、きちんと解説します。
※名古屋ー鳥羽間は近鉄特急が一番多く走っており、乗り換えなどの利便性はいいのですが、料金の面でお得感が薄いので、ここからは主に近鉄の話は省きます。
電車ルートで最安で行く方法〈土日限定〉
まず、最安で行く方法は土日しか使えません。
名鉄の土日往復きっぷ「なごや特割2土日」を買うと、名古屋ー豊橋間が片道780円になります。そして、一度名古屋駅で下車して金券ショップへ行き、鳥羽までのJR快速みえの「快速みえ得ダネ4回数券」を買います。これが片道1,570円ですので、あわせて2,350円になります。
※鳥羽駅前に金券ショップはないため、必ず名古屋駅で往復ぶんの回数券を買ってください

出典:https://www.igami.co.jp/sale/jr_line/nagoya3/jr%E5%9C%A8%E6%9D%A5%E7%B7%9A-%E5%BF%AB%E9%80%9F%E3%81%BF%E3%81%88-%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E2%87%94%E9%B3%A5%E7%BE%BD
ちなみに、得ダネ4回数券は名前の通り4枚つづりのきっぷなので、2人で名古屋ー鳥羽間を往復すると、金券ショップではなく普通に名古屋駅の券売機で買うことができるため、乗り継ぎが大変楽になります。
そうすると、1回あたり1,470円になるので、豊橋ー鳥羽間が片道2,280円とさらにお得になります。
ちなみに、豊橋から名古屋へ安くいく方法についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

平日の最安手段と価格は?
さて、平日はどうかというと、同じルートを使っても他の手段に比べて最安ではあるのですが、料金が上がります。豊橋ー名古屋間が「なごや特割2平日」きっぷになり、片道890円になるからです。そのため、豊橋ー鳥羽間が片道2,460円となります。
他のルートと比べても、まだ最安ではあるのですが、土日よりお得度は減るのでご注意を。
名古屋駅で途中下車するのがめんどくさい!人向け
ここまで最安手段について書いてきましたが、「名古屋駅で途中下車して金券ショップまで行くのが面倒くさい!」と思う方は、土日・祝日限定で「青空フリーパス」というきっぷが2,620円であります。
これは下記フリー区間が1日乗り放題になるというきっぷです。

出典:https://railway.jr-central.co.jp/tickets/aozora-free-holiday/
2,620円なら、金券ショップなどを駆使した場合に比べると少し高いものの、それでも豊橋ー鳥羽間の最安手段ですし、なにより豊橋駅できっぷを購入すれば、名古屋駅で途中下車する必要なく、JRを乗り継げます。
そして最大のポイントは「1日乗り放題」かつ「どこでも途中下車〔寄り道〕できる」ことです。
極論を言えば、「早朝に鳥羽に行き、鳥羽で観光や食事を楽しんだら日帰りで豊橋に帰ってくる」という使い方をすれば豊橋‐鳥羽間を往復2,360円、片道実質1,180円で楽しめるのです。体力的には大変ですが、コストパフォーマンスに優れています。
また、そんな大変な使い方をしなくても、たとえば伊勢市駅で伊勢神宮によって、泊まりは鳥羽、翌日また鳥羽駅で青空フリーパスを買って、ゆるゆる帰りながら、松阪で松阪牛を楽しんだり、四日市でとんてきを楽しんだり…といった使い方もできます。
むしろ、青空フリーパスの本来の目的としては「目的地までいくらでも寄り道できること」と言っていいでしょう。1泊2日などで、ゆっくりと三重県旅をしたい方には、こちらのほうがおすすめかもしれません。
豊橋ー鳥羽間の最安をとるか、鳥羽だけでなく、ほかの三重県内の観光地も楽しむかでおすすめのきっぷは変わってきます。
最終的に、おすすめのモデルコースは?
さて、ここまで最速、最安の手段のいずれもで電車ルートをおすすめしてきました。
ただ、ここまで言っておいてなんですが、伊良湖ー鳥羽間のフェリーに乗ったことがなければ、ぜひ片道はフェリーをおすすめします。フェリーの旅は旅情を感じられますし、なによりを「旅」をしている感を強く味わえるからです。
とはいえ、冒頭でもお伝えしたように、豊橋から伊良湖フェリー乗り場へ向かうバスは到着が不安定で、フェリーの待ち時間が読めない場合もあります。
そこでおすすめしたいのが、豊橋から鳥羽へは「電車ルート」で行き、帰りの鳥羽から豊橋へは「フェリールート」で行く方法です。伊良湖フェリー乗り場でのバスの待ち時間が40分ほどありますが、始発乗り場なので必ず席に座れますし、帰りの時間のバスが多少ズレても家に帰るぶんには全く問題ないからです。
たとえば、土日なら行きは青空フリーパスで伊勢や鳥羽を楽しんで、帰りは鳥羽のフェリー乗り場で豊橋までの乗り継ぎきっぷを買うといったルートがおすすめ。
到着時間も電車ルートとほとんど変わりませんし、なにより行きと帰りで景色が違うため、きっと移動を飽きずに楽しむことができるでしょう。
一点だけ注意点をあげるなら、フェリーは時期によって便数が異なるため、必ず鳥羽ー伊良湖間のフェリーの出発時刻を確認しておくことです。それさえ忘れなければ、きっと楽しい旅になります。

ちなみに、鳥羽港から徒歩3分ほどの場所にある「お食事処 錦屋」の海鮮丼は鳥羽駅・鳥羽港付近で随一のおすすめなので、お時間があればぜひ立ち寄ってみてくださいね!
お食事処 錦屋
三重県鳥羽市鳥羽3-32-6
0599-2kyy5-2057〔予約不可〕
11:00~20:30
木曜定休
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