JR東海には「北陸観光フリーきっぷ」という観光きっぷがあります。
その名の通り、富山、石川、福井を観光するためのきっぷで、名古屋(もしくは浜松・静岡)から下記の区間までの往復切符と指定席特急券、そして、下記の区間の新幹線・特急・在来線の乗車が4日間も無料になるという大変お得なきっぷです。
出典:https://railway.jr-central.co.jp/tickets/hokuriku-free2/index.html
ただ、実際に乗ってみると、いろいろと不便な点や注意点があるため、今回は実際にこの北陸観光フリーきっぷを使ってみた感想をレビューしていきます!
ひだ・しらさぎをどっちから行くか?
まず、このきっぷの利用には、一番大事な制限があります。それは「富山から先に行くか、福井・石川から先に行くか」です。
ルールが分かりづらいかと思いますが、このきっぷは「今回は富山だけ観光したいから、行きも帰りも富山の特急(ひだ)だけでいいや」とか、あるいは「石川・福井だけで満足したから、帰りも石川方面の特急(しらさぎ)だけでいいや」といった使い方ができません。
JRの公式サイトには下のように書いてあります。
ア 往路で、特急「ひだ」号をご利用する場合は「ひだ&しらさぎコース」を発売し、復路は特急「しらさぎ」号をご利用すること。
イ 往路で、特急「しらさぎ」号をご利用する場合は「しらさぎ&ひだコース」を発売し、復路は特急「ひだ」号をご利用すること。
つまり、「富山方面(ひだ号)から先に行ってもいいし、福井・石川方面(しらさぎ号)を先に行ってもいいけど、帰りは逆方面から帰ってきてね!」ということです。
これが意外とネック!
もちろん、観光したい順番から行けばいいのですが、もし「どっちからでもいいや」というのであれば、私は絶対に富山方面(ひだ号)から行くことをおすすめします。私はこの逆から行って、大変公開しました…。
なぜ、富山方面から先がおすすめか?
なぜ、富山方面から行くことがおすすめかというと、石川や福井から名古屋に帰ってくるしらさぎは6両編成(休日は9両編成)なのに対して、富山から名古屋に帰ってくるひだ号は途中の高山駅までたったの3両しかないからです。
そう、つまり座席が少なくて座れないのです。
これがかなりの地獄で、コロナがあけて、外国人観光客が増えている今、高山は大変人気の観光地になっています。そのため、すし詰めの車両で富山から高山までの約1時間半を立って移動することになります。景色も楽しめたものではありません。
↑実際の車内の状況
逆に、名古屋から富山に行くときは、高山まで6・7両編成なうえ、対抗手段として高速バスまであるため比較的すいています。なにより北陸観光フリーきっぷは、ひだ号としらさぎ号に乗るときは指定席が取れるので、少なくとも平日から「人が多すぎて座れない」という事態にはなりません。
「じゃあ、富山から名古屋に帰るときも指定席をとればいい」と思われるかもしれませんが、少なくとも私は乗車当日の朝に窓口に行った時点で、すでに指定席は満席でしたので、出発時点で入念な準備が必要になります。
フリーきっぷはきっぷ一枚でどこでも行ける身軽さが一番の魅力だと思うので、もし同じような考え方の方は富山スタートのほうをおすすめします。
フリーきっぷの魅力は特急や新幹線に乗り放題なこと
また、せっかく北陸観光フリーきっぷを使うのであれば、数日をかけて北陸のいろいろなところに回るのもポイント。たとえば、富山に来たら富山市内だけでなく、氷見まで行くとか、あるいは金沢まで行ったら七尾や和倉温泉を楽しむなどです。
なぜかというと、北陸観光フリーきっぷは名古屋からだと16,230円ですが、単純に名古屋ー富山-金沢ー名古屋のきっぷを全席指定で買っても差額は2,000円程度しかありません。もちろん、2,000円もお得になる時点で十分じゃないか!というご意見もあるでしょう。
ただ、名古屋―富山間などは正直、ひだ号が7,790円で4時間もかかるのに対し、高速バスであれば4,800円で3時間半でつきます。そう、高速バスのほうが早くて安いのです!
つまり、ただ富山市内と金沢市内に行きたいだけであれば、名古屋―富山間だけ高速バスで買って、ほかは普通に電車で帰るほうがフリー切符を買うよりお得で早いと言えます。※しかも、バスは本数も多いため、先ほどのひだ号の指定席がとれないといった事態もありません
フリーきっぷを使うのであれば、せっかくなら北陸を遊び倒してやろう!ぐらいのつもりで観光プランを組むことをおすすめします。でないと、もったいないです!
おすすめの観光ルートは?
北陸観光フリーきっぷのレビューとは少し話がずれますが、せっかくなので、北陸観光フリーきっぷを使っていけるおすすめスポットや路線を上げていきます。
富山はまず2つあり、新幹線で行ける黒部宇奈月温泉の温泉街と、JR氷見線から見られる絶景スポットです。黒部宇奈月温泉に関しては、温泉街と美味しい食事が、氷見線では日本トップクラスと言われる車窓と氷見駅で食べられる氷見ブリや氷見うどんなどの食事がおすすめ。
お酒好きなら、富山市内で日本酒酒蔵巡り&グルメ旅に出るのもおすすめ!

また、石川に入ったら能登半島のほうへ向かう和島線に特急で向かうのがおすすめ。七尾駅では能登食祭市場もあり、新鮮な魚介などを楽しむことができますし、終点の和倉温泉では宿泊地もたくさんあります。

福井はJR線が少ないため、「フリーきっぷがあるから、わざわざ行きたい!」という路線はありませんが、福井市以外にもあわら温泉や、敦賀の日本海さかな街で途中下車するのもおすすめです。

せっかくフリーきっぷを使うなら、富山や金沢、富山といったアクセスもよく、中心地的なスポット以外も遊びつくすといいのではないでしょうか?
北陸観光フリーきっぷの最終レビュー
さて、長くなりましたが、結論は下記の通り。
- ひだ号としらさぎ号のどちらを先に乗るかが重要
- できるだけたくさんのスポットを訪ねる
この2点ができるかで、フリーきっぷの評価は大きく変わってきます。少なくとも、私は2番の「できるだけたくさんのスポットを訪ねる」ができましたが、1番ができていなかったために、大変な思いをしましたし、もう同じルートは乗らないと思います。
富山は美味しい魚介、石川は美味しい魚介に加賀野菜、福井は美味しい魚介に蕎麦と、それぞれの魅力が北陸にはあります。ぜひ北陸観光フリーきっぷで楽しい旅を過ごしてください!
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