九州のまんなか熊本県と、九州の西端 長崎県。
車で行くと、福岡と佐賀を通り抜けないといけないため、かなり遠く感じるこの2県。高速代やガソリン代も考えると、なかなか気軽に行ける距離とは言えません。
ですが、フェリーで行くと、陸路よりもはるかに楽に、しかも安く行くことができることをご存じでしょうか?
今回は、熊本―長崎間を結ぶ九商フェリーと熊本フェリー[オーシャンアロー]のそれぞれのフェリーについてお話します。
陸路とフェリーの移動時間の違い
それぞれ目的地があると思いますが、今回はひとまず熊本駅ー長崎駅を目指すルートで計算してみましょう。
車を使って陸路で行く場合と、フェリーで行く場合とを比較してみましょう。
車を使った陸路の料金と時間
陸路で行く場合ですが、車で高速を使った場合の移動時間と距離はそれぞれ、212km、2時間50分です。
そのうち、熊本ICー長崎ICは高速に乗る必要があるので、ETC料金を見てみるとこの通り。
22km/L走る普通車で、ガソリン代を170円とした場合、片道212kmを走るとガソリン代は約1,638円。つまり普通に行くと、6,448円かかるわけです。ガソリン代は、高速走行や信号での停車を計算に入れていないため、おそらくもっとかかるでしょう。
深夜料金や休日割引を使っても、5,008円かかります。
- 長崎ー熊本間の移動時間は2時間50分
- 金額は6,448円、[深夜・休日は5,008円]
フェリーを使った海路の時間と料金
一方で、フェリーはどうでしょうか?
フェリーの場合は、まず熊本駅から熊本港へ行き、そこから島原港へのフェリーに乗ります。島原港からは、長崎駅まで下道を走ることになります。
このルートだと、102kmを移動することになりますが、ポイントがひとつ。
フェリーは、九商フェリーと熊本フェリー[オーシャンアロー]の2つがあり、それぞれの料金と移動時間が異なるのです。それぞれの移動時間と料金はこちら。
九商フェリー
・移動時間 約60分
・料金 片道3,690円
(普通車4人乗り、運転手1人ぶん込み)
・ガソリン代と合わせた金額 4,315円
・車での移動も合わせた時間 2時間51分
追加料金
・おとな1人 890円
・こども1人 450円
熊本フェリー[オーシャンアロー]
・移動時間 約30分
・料金 片道4,500円
(普通車4人乗り、運転手1人ぶん込み)
・ガソリン代と合わせた金額 4,940円
・車での移動も合わせた時間 2時間21分
追加料金
・おとな1人 1,500円
・こども1人[小学生まで] 750円
移動時間はあくまで目安です。
実際には、フェリーの待ち時間が10~15分ほどあると思うので、これは最短で移動した場合の時間だと思ってください。
また、九商フェリーには、往復運賃割引もあるため、実際には上記料金よりも安く乗ることもできます。
- 九商フェリーは移動時間こそ陸路と同じぐらいだが、安い
- オーシャンアローは料金こそ深夜割引と同じぐらいだが、早い
- 人数が増えると料金が増していくため、何人で行くかがポイント
結論!陸路とフェリーはどっちがおすすめ?
それでは結論として陸路とフェリーはどっちがおすすめなのでしょうか?
まず、移動で楽をしたい方は圧倒的にフェリーです。
約3時間ずっと運転するのは疲れるもの。そのうち1時間、もしくは30分だけ休めるだけでも、疲れは全然違うでしょう。
フェリーを使えば、車での移動時間は2時間以内ですみます。
また、早く行きたい方は、オーシャンアローを使った移動がおすすめ。待ち時間を考えても、(法定速度を超えて高速を飛ばしたりしない限りは)オーシャンアローのほうがはやく着きます。
特に、鳥栖ジャンクションあたりの高速渋滞に巻き込まれないので、お盆や年末など、車の移動が多いときはフェリーのほうが早いことが多いです。
金額面で言えば、一緒に行く人数次第というところでしょう。
1人なら間違いなくフェリールートが安いですが、大人2人以上になると、九商フェリーは陸路より安いものの、オーシャンアローは陸路より高くなる場合も。
金額面では、それぞれの使い方に応じて選んでみてください。
- 時間と快適さはフェリーがかなり有利
- 金銭面は人数次第で変わる
- フェリーの出発時間に合わせるデメリットはある
- 全体的にはフェリーのほうがおすすめ
ただ、JR九州は頻繁にお得なきっぷを販売することがあるので、電車で安い手段がないかお探しのときは、こちらのチェックはマストです!
バスと電車を乗り継げば新幹線より安い!?
車よりはフェリーのほうが有利な面が多いことは分かりましたが、熊本駅ー長崎駅の電車[新幹線+特急]と比べてみるといかがでしょうか。
フェリー乗り場までは公共交通機関だけで行けるの?
電車なら、新幹線と特急を乗り継げば熊本ー長崎駅間を行けますが、熊本駅ー熊本港、島原港ー長崎駅をつなぐ公共交通機関はあるのでしょうか?
実は、熊本港ー熊本駅間はシャトルバスが出ており、片道28分、490円で移動できるのです。
しかも、九商フェリーに乗る場合、事前予約をすればシャトルバス料金も無料になります。これは破格!
また、島原港ー長崎間は港の目の前から電車が走っており、島原鉄道というローカル線と、JR長崎本線を乗り継いで、長崎駅まで行くことができます。
少し複雑になったので、まとめます。
- 熊本駅ー熊本港[シャトルバス]
- 熊本港ー島原港[フェリー]
- 島原港駅ー諫早駅[島原鉄道]
- 諫早駅ー長崎駅[JR本線]
ということ。
少し複雑に見えますが、乗り継ぎはどれもアクセスがいいので、最初のシャトルバスの乗り場さえ間違えなければ、それほど大変ではありません。
では、電車とフェリーそれぞれを比べてみましょう。
新幹線+特急
・移動時間 1時間46分
・料金おとな1人 8,840円
※熊本-新鳥栖間は自由席
・乗り継ぎ回数3回
・電源がある
九商フェリー
・移動時間3時間30分以上
・料金おとな1人 2,910円
※熊本駅ー熊本港は無料シャトルバスを事前予約
・乗り継ぎ回数4回
・電源がない
オーシャンアロー
・移動時間3時間以上
・料金おとな1人 3,720円
・乗り継ぎ回数4回
・電源がない
フェリールートの移動時間をそれぞれ”以上”としているのは、フェリーや電車の乗り換えの待ち時間が場合によって変わるためです。
こうしてみると、移動時間だけで言えば、新幹線+特急が圧倒的に早いです。
車より早いぐらいなので、熊本ー長崎間をとにかく早く移動したい方は、新幹線+特急がおすすめ。
ただ、料金面で言えば、下手をするとフェリーと3倍以上の差がついています。
移動時間のコストパフォーマンスについては、悩む人も多いはず。
安く行きたいならフェリー、早く行きたいなら新幹線+特急と覚えておきましょう!
高速バスとはどっちがおすすめ?
ちなみに、長崎―熊本間は高速バスも走っています。
高速バスとフェリーではどちらがおすすめでしょうか?
高速バスの移動時間は、3時間45分、料金は4,200円で乗り継ぎなどはもちろんありません。また、4時間近く移動する割には、電源がないため、そのあたりもフェリーと同じ。
こうしてみると、オーシャンアローと高速バスはコストパフォーマンス面で並んできます。
移動時間は乗り継ぎ時間を考えれば、少しオーシャンアローのほうが早いか、同じぐらいでしょう。
料金面でも、500円ほどオーシャンアローのほうが安いですが、1度バスに乗ってしまえば乗り継ぎの手間がありませんので、バスのほうが楽です。
こうしてみると、バスとフェリーでは悩むところも多いはず。
この辺に関しては、途中で寄る駅・停留所などで決めるのがおすすめです。
島原方面もあわせて観光をしたい場合はフェリー、熊本駅以外にも、県庁前など別のところで乗降したい場合は高速バスの利用など、使い方で選んでみてはいかがでしょうか?
フェリーの乗り方
さて、フェリーがどれだけ他の移動方法に比べて安いか分かったところで、乗り方についてお伝えします。
まず、シャトルバスなど歩いて来た人は簡単です。館内に九商フェリーとオーシャンアローの窓口がそれぞれあるので、乗りたいほうの窓口でチケットを買って乗るだけ。
おそらく初めて行っても迷うことはないでしょう。
車で乗る場合は?
一方で、車で乗る場合は少し注意が必要で、チケット売り場の横に九商フェリーとオーシャンアローのそれぞれの駐車場があるため、乗りたいほうの駐車場に駐車します。
↑窓口ではオーシャンアローの名前のほうが目立っていますが、運行会社は熊本フェリー
同時刻に出発する便はほぼないため、それほど迷うことはないとは思いますが、お気をつけください。
一度、駐車場に駐車してからフェリーのきっぷ売り場できっぷを買ってください。
乗船時間になったら誘導員がきっぷを確認し、車ごと乗船開始していきます。
熊本―長崎間はうまくすれば安く行ける
いかがでしょうか?
熊本―長崎は陸路だとけっこう距離があるので、遠いイメージがありますが、フェリーを使うと、意外と移動時間も交通費も高い!というほどではないのではないでしょうか?
あなたに合った交通手段を探して、ぜひ2県を便利に観光してくださいね!
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