日本三大居酒屋というのをご存じでしょうか?
BSなどにもレギュラー番組を持つ居酒屋探訪家 太田和彦氏が自分の著書のなかで”日本三大居酒屋”というものを提案したそう。そして、その1つがなんと和歌山の南紀白浜にあります。
その名も長久酒場。
立地もあって、なかなか普段はいけない場所。
早速行かねばということで、今回突撃してきましたので、その感想をお伝えします。
白良浜の前にたたずむ外観はひっそりとした居酒屋
長久酒場があるのは、観光地としても有名な白良浜から徒歩2分ほどの場所。
昼間は多くの観光客でにぎわう場所ですが、夜はライトアップはあるものの、昼間より少し静かな雰囲気。
でも、長久酒場の前ではひっきりなしに車や人が出入りしています。
外観は本当に普通の個人居酒屋。知らないと通り過ぎてしまうかもしれませんね。
長久酒場は予約が難しいので、予約なしで突撃!
ネットで口コミなどを見ていると、長久酒場は予約ができそうにありません。
一応、公式サイトにはお問い合わせ先と電話番号の記載はあります。
ただし、予約できるとは限らないのでご注意を。
今回、わたしは予約なしで突撃。
営業時間は16時からなので、1回転後の18時半ごろを狙って入りました。すると、ちょうど入れ替わりの時間帯のようで待ち時間もなく入店。
カウンター席が基本でテーブル席は1つだけ。席数も多くないので、1~2人の少人数向けのお店。
予約なしで行かれる方は、16時のオープン直後か、オープン直後のお客さんが入れ替わるタイミングをおすすめします。
22:00まで営業されており、後の時間のほうが入りやすくなるとは思います。実際、19時前後に入店されたグループは30分以内ぐらいで席に着かれていました。
ただ、あまりに遅く入ると、売り切れのメニューなども多くなるのでご注意を。
メニューや価格は”ちょっといい居酒屋さん”
メニューを見ると、基本的には5種類の構成に分かれています。
・個別に用意された網を使った焼きもの
・おでんなどの煮物
・魚介系の刺身類
・揚げ物
・シメのご飯類
サラダなど、チェーン店の居酒屋にあるような食べ物はあまりありません。シメを除けば、基本的には酒のアテが多いです。本当に、”居酒屋”といった印象。
価格帯は600~1,100円ぐらいが多く、個人のちょっといい居酒屋か小料理屋といった感じ。
ただ、酒類のメニューは料理に比べると少し”普通”かなと。
サワー類はシロップを使ったりされていますし、酒のクオリティを気にする方は、ビールを飲むのが安パイだと思います。
うつぼにクジラの焼き物など食べたことがないメニューがたくさん!
さて、肝心のフードメニューですが、遠方から長久酒場に来られた方にぜひ食べてほしいのが刺身とウツボの焼き物、クジラの焼き物です。
ウツボはがっつり焦げる寸前まで焼くことで、磯の風味とフワッとした白身が美味しいです。
初めて食べましたが、“酒のアテ”だなといった感じ。
また、刺身も、和歌山と言えば生マグロ。やはり、間違いありませんでした。
ただ、個人的に一番衝撃だったのはクジラの焼き物。お刺身で食べていただいてもけっこうですよと言われたので、まずはお刺身で。
甘辛いショウガのたれと絡んだクジラには一切の臭みがなく柔らかい。とてもジューシーな刺身です。
そして、それをレアに仕上がるように軽くあぶれば、まるで上質な赤身肉のようになります。今まで食べたことがないクジラ肉でした。
スナズリや豚バラなどのスタンダードな料理も美味しい!
また、こういった珍しいメニューだけでなく、スナズリや豚バラなどもあります。
これがまた美味しく、スナズリは臭みのないコリコリとした食感。
そして豚バラが特に美味しく、脂身があまく柔らかい。かなり良い焼き肉屋さんでもないと、そうそう出るレベルではありません。
正直、肉質は居酒屋と思ってナメていたので、ある意味一番驚きでした。
シメはマグロ丼かシラス丼かさんま寿司から
シメのご飯はいくつかありますが、今回はマグロ丼とシラス丼とさんま寿司を食べました。
せっかくなら、和歌山らしいものでシメたいですからね!
さんま寿司は和歌山南部の郷土料理&名物。
どういった味になるのか想像ができませんでしたが、食べると少しさっぱりした鯖寿司のよう。鯖の肉厚さや脂がない代わりに、魚の臭みもなくさっぱりと食べられます。
甘めの味付けで美味しい。
また、シラスやまぐろも、丼ものとしてはかなり珍しく具材たっぷり。しかも、甘いつゆがご飯の底がつかるほどたっぷりかかっており、お茶漬けのようにかきこめます。
これがまた美味いのです。
ぜひ、シメご飯は食べてほしいですね!
長久酒場の全体的な印象をレビュー!
さて、長久酒場の全体的な印象を簡単にレビューしていきます。
まず、よかったところとしては食材の質です!
ときどき、ネットの口コミで「普通だった」というコメントを見かけますが、少なくとも食材の質はその辺の居酒屋より断然いいです。
値段もそれに比例して高くなりますが、個人的にはコスパは悪くないと思います。
味付けは好みが分かれるところで、ウツボは砂糖醤油で食べたりと、全体的に甘め。九州料理が好きな方には、間違いなくヒットすると思います。
長久酒場で気になるところは?
逆に、長久酒場を利用して気になるところもあります。
まずは予約体制。
やはり予約なしで遠方から向かうのは、少し勇気がいります。どうしてもという方は、近隣にホテルをとるのがおすすめです。
また、酒類は料理のクオリティに比べると、正直けっこう落ちます。酒と食事のマリアージュを楽しみたいという方には、少し不向きかなと。
ビールでいいよ!という方はまったく問題ないです。
最後に、接客はすごくいいとは言えないです。どうしても店内が忙しいためか、接客は二の次といった印象。
別にあからさまに態度が悪いとかではなく、”忙しい”といった感じですね。「居酒屋なんて美味い酒とメシが食えればサービスは求めてないよ」という方は全く問題ないです。
日本三大居酒屋かはさておき、おすすめの居酒屋さんです
最終的な感想としては、「近所にあったらぜひ通いたいお店」といった感じ。
あまりお店の人にかまわれず、カウンターで好きなつまみとお酒を頼んでいるぶんにはいいお店です。繰り返しになりますが、特に食材の質には驚きましたし、味付けも自分好みでした。
ただ、“日本三大居酒屋”と言うには、かなり個々人の印象の差は出ると思います。
でも、本来居酒屋ってそういうものなのかなと。個人的には、日本三大居酒屋というくくり自体が無理があると思います。
個人的には、日本三大居酒屋は別にして”推し”の居酒屋です。
南紀白浜を訪ねた際にはぜひ訪ねてみてくださいね!
長久酒場へのアクセス・営業時間
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町3079−6
0739-42-2486
定休 木曜
営業時間 16:00~22:00
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