Fellowの国内正規代理店のkiguから、家庭用電動グラインダーが立て続けに2台販売開始されました。
Ode Brew Grinder Gen2[画像左]とOpus Conical Burr Grinder[画像右]です。
それぞれ Ode[オード] Gen2とOpus[オーパス]と呼ばれることが多いので、これ以降はこの名前で呼んでいきます。
さて、このOde Gen2とOpusですが、価格差が61,600円と33,000円といったように2倍以上あるのですが、その違いはあるのでしょうか?
普段からグラインダーをよくご覧になっている方なら、スペック表を見るだけでもわかるかもしれませんが、パッと見ではその違いが分かりづらいため、ここでは、それぞれの違いについてご紹介していきます。
Ode Gen2とOpusの基本スペックの違い
まず、基本性能の違いについては、公式サイトが詳しいので、そちらから引用させていただきます。
※画像左2つがFellowのグラインダー
画像では分かりにくいかもしれませんので、特に大きな違いをピックアップしていきます。
刃の形状と大きさ
まずは刃の違いです。Ode Gen2は64mmのフラット刃を使用しており、Opusは41mmのコニカル刃を使用しています。
フラット刃とコニカル刃の刃の形状については長くなるため、後ほど紹介します。
ここでお伝えしたいのは刃の大きさの違いです。Ode Gen2のほうが64mmと業務用に近い刃のサイズをしているため、かなり早いスピードでコーヒー豆を挽くことができます。
ハンドドリップ用のコーヒー粉18gをOpusが15秒で挽くのに対し、Ode Gen2は5秒で挽けると書いてあるのをご覧いただければ、刃のサイズがどれだけグラインドスピードに影響を与えるかが分かります。
ご家庭で十数秒の違いを気にされる方はそれほど多くないと思いますが、2人ぶん、3人ぶんと挽く量が増えるにつれ、挽く時間の差が大きくなることは大事なポイントです。
快適性はOde Gen2のほうが上でしょう。
エスプレッソ粉が挽けるかどうか?
また、OpusとOde Gen2を比較したとき、もっとも大きなポイントはエスプレッソ粉が挽けるかどうかです。Opusはエスプレッソ用の粉が挽けますが、Ode Gen2はエスプレッソには対応していません。
エスプレッソ粉を挽きたい方は、Opusを選ばれるか、もしくはOde Gen2を購入したうえで、別途エスプレッソ用グラインダーを用意する必要があるでしょう。
共通している特徴
一方で、違いもあれば同じメーカー内で共通している特徴もあります。
1つは静電気低減機能です。
これが今までのグラインダーとFellowのグラインダーとを一番分ける機能と言っても過言ではありません。
静電気があると、どうしてもグラインダーの周りにコーヒー粉が飛び散るのですが、その飛び散りがどちらのグラインダーも驚くほど少ないです。
家庭用グラインダーだと、国内メーカーのKalita NEXT Gぐらいしかこの機能を積んでいなかったので、間違いなくご家庭用に選ぶときの新しいスタンダード基準のひとつになると言えるでしょう。
そしてもう1つが静穏性。
特にフラット刃のグラインダーに多いのですが、これまでは、パワーが必要なため、モーター音やグラインド音がうるさいというのが欠点でした。
ただ、Fellowグラインダーに関しては、コニカル刃のOpusはもちろん、フラット刃のOde Gen2すら静かにグラインドできるというのが一番の驚き。
実際の動作音はこちらのレビュー動画でご確認いただけます。
性能もそうですが、静音性が一番大事という方に特におすすめしたいグラインダーです。
フラット刃とコニカル刃の違い
さて、Ode Gen2がフラット刃、Opusがコニカル刃という違いがあるとお伝えしましたが、フラットとコニカル刃の違いについて、簡単にそれぞれの刃の違いを見てみましょう。
フラット刃 | コニカル刃 |
挽き目[粒度]が揃いやすい | 微粉が少ない |
挽かれた粉が長方形に近い形 | 多面体 |
業務用に多い | 家庭用に多い |
クリーンな味わいになりやすい | ボディが強くなりやすい |
まず、フラット刃に関しては粒度が揃いやすく、比較的クリーンな味わいになるとされています。業務用グラインダーで有名なMahlkonigのEK43やdittingなどがこれにあたります。
フラット刃の家庭用グラインダーは、ここ最近まったく新商品が出ていなかったため、それだけで貴重でもあります。
一方で、コニカル刃は多面体になりやすく、抽出効率が高いため、ボディが強くなりやすいと言われています。低い電力でも挽くことができるので、安価な家庭用マシンにも多いタイプです。
実際、先ほどのOde Gen2とOpusの公式の比較表を見ると、Ode Gen2は「極上の透明感と際立つフレーバー」と評価されているのに対し、Opusは「しっかりとしたボディと甘さ」が特徴とされています。
コニカル刃とフラット刃の特徴がハッキリ出ていると言えるでしょう。
ただ、ひとつだけ言えるのは、微粉の多さや挽き目が揃いやすいといった刃の特徴は、モノによるということです。
たとえば、業務用レベルのコニカル刃のグラインダーは、家庭用レベルのフラット刃のグラインダーに比べれば微粉も少なくクリーンな味わいになります。
刃の傾向は、確かに上に書いたような違いがありますが、それと同時に刃の造りとグラインダーの性能差もあることを知っておくことが大切です。
実際に使ったレビュー比較
さて、それぞれ性能や基本スペックの違いが分かったところで、実際に使ってみた感想です。
簡単に言えば、「美味しいハンドドリップやフレンチプレスのコーヒーを飲みたいならOde Gen2」、「エスプレッソをメインで使いたいならOpus」という選択で間違いありません。
家庭用フラット刃としては申し分なし
特に、Ode Gen2のクリーンさはもちろん、使い勝手の良さは、同じ定価5~6万円程度のグラインダーと比較しても、間違いなく上回っています。
※比較対象はbonmac BM-250、Kalita ナイスカットG、富士ローヤル みるっこなど
メーカーによっては定価8万円を超えるようなグラインダーさえゆうに上回っているでしょう。それぐらいのクオリティです。
特に、業務用マシンのノッカーがついており粉残りが少ない、ふたの裏にメッシュ[挽き目]の目安がついているといったあたりは他社になく、「これだけでOdeを選ぶ基準」にはならないものの、あると便利な機能が多いです。
かゆいところに手が届く仕様。
あえて、もし欠点をあげるとすれば、OPUSにも共通するのですが、電源コードが短いところ。ほかの家電製品の2/3ぐらいの長さなので、環境によっては延長コードが必要でしょう。
また、微粉の出やすさはもちろん業務用の60万円するようなグラインダーには敵いませんし、5~6万円ぐらいのハイエンド手挽きミルにも若干劣ります。
電動グラインダーの利便性は別にして、とにかくクリーンな味わいをお求めなら、コマンダンテなどの高性能手挽きミルのほうがおすすめかもしれません。
ただ、それ以外の点においては、間違いなくOdeのほうが上と断言していいと思います。
Opusは家庭用エスプレッソグラインダーのなかでトップクラス
ドリップなどのクリーンさではOde Gen2に譲るものの、エスプレッソグラインダーとしての魅力が高いOpus。
詳しくは下記の記事に記載していますが、同価格帯のWilfa Svart aromaなどに比べても、利便性の点ではOpusのほうが上です。
こうしてみると、そもそも、Ode Gen2は約6万円、Opusは約3万円と価格差があるため、ワンランク性能差があるのは当然ですが、コンセプトがまったく別物であることが分かります。
ご自宅の環境に合わせて、お好みのグラインダーをお選びください。
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